脱臭炭新CM“ヒーロー”篇エピソード

◆“ヒーロー”篇エピソード
「CM界の若手巨匠」×「特撮の神」×「エステー&東急AGC&太陽企画プロ」が生んだ、21世紀の特撮CM。
なんだか懐かしいけれど、誰も見たことがない。そんな新ヒーローを生み出したいと考えた私たちは、今回のCM制作にあたり、ヒーローものと言われる過去の作品をしらみつぶしに調べることから始めました。
そこで発見したのは、「日本におけるヒーローを突き詰めると、全て同じだ」ということ。「日本人が思い描くヒーロー像はこれなんだ! 」という思いを原点に、私たちはダッシューマンをつくり上げていきました。
たとえば、ダッシューマンや隊長のコスチュームのカラーリングは、実は「脱臭炭」の商品パッケージの配色がもとになっています。炭ちょんまげは、エステーCM「消臭プラグ」殿様シリーズをもじっているのです。そんなふうに、動作や声を含めた全てについて、過去のヒーローとは一線を画するオリジナルヒーローを目指しました。

エステーはこれまでずっと「できる限りCGは使わない」という方針をとってきましたが、もちろん今回も実写を貫きました。我々の切り札は中堀正夫さんという伝説のカメラマン。「特撮の神」と呼ばれ、さまざまなテレビ映画や劇場映画を撮影してきた、日本の特撮技術の第一人者です。中堀さんは、殿様シリーズの撮影を06年から担当しています。今回もその“匠の技”が惜しみなく使われました。
 
プランニングは、CM界大注目の芳賀薫監督と東急エージェンシーの福島寛さんと高木葉介さんがタッグを組みました。
芳賀監督36歳。中堀さん65歳。この親子ほども違う監督とカメラマンの関係は、最初はややぎこちないものでした。しかし、1つ1つのシーンについて共通の言語を探り合い、意見をぶつけ合ううちに、芳賀監督は中堀さんの引き出しの多さ、その言葉がいかに奥深く、豊かな経験の裏付けに基づいているかに感じ入ります。一方、中堀さんは、才気あふれる若手監督の思いを汲み、できる限り主体的、積極的に監督のイメージを実現しようとしました。芳賀監督の磨かれたセンスと中堀カメラマンの匠の技が見事に融合、さらに制作会社太陽企画がその化学反応を促進していったのです。
 

特命宣伝部長 高田鳥場も、もちろん参加しました。(高田鳥場の本では、中堀さんの特撮で鳥場は東京の空を飛んでいます)。
撮影中(こんなことはめったにないのですが)、あの中堀さんが、ニコニコと満面の笑顔で高田鳥場のところにやってきては、特撮の手法を説明してくれるのでした。そして一言。「鳥場さん、こんな仕事をさせてくれてありがとう。とても楽しいよ」。
「いやぁ、ありがとうって言われちゃったよ。こんな仕事をさせてくれて、とても楽しいって言ってたよ」と鳥場が芳賀監督に伝えると、「僕には絶対そんなこと言いませんよ」(笑)。
この2人に世代を超えて認め合うプロ魂を感じ、鳥場はうらやましくさえ思いました。
 




ラストでなぜ?

新しいエンターテインメントCMをつくり出すために、特撮の1シーン1シーンに熱い思いを込めました。たとえば冒頭シーン。向こう側にマンションがあって、怪獣の足がダァーーーンと地面を踏み締めて砂煙がブワーッと巻き上がる…その0.5秒に4、5時間はかけたでしょうか。

ビジコン(モニター)を見ていると、ものすごいリアル。スタッフから「スゲーッ」という声が何度も上がります。次第にどこを見ても、セットなのか本物なのか、頭が混乱してくるくらいです。
もちろんCGは一切なし。たとえばCMのクライマックスを飾る、ニオイドンの「臭」マークの爆破シーン。火薬を使うこのカットでは、撮影可能な回数はわずか4回。失敗が許されない緊迫した空気の中、特撮の神が舞い降りたのか、無事成功。終わった後、怪獣の体はヤケドだらけでした。
逃げまどう主婦を演じる相元晴名(あいもとはるな)さん。
熱演のあまり膝小僧をすりむいてしまったとか。




戦闘機がニオイドンを攻撃するシーンでは、飛行機を旋回させることが可能な世界に一台しかない特殊クレーンを使用。昔の特撮では、竹ざおを使用していましたが、なかなかうまくいかなかったとか。そしてダッシューマンが額の炭スイッチを押して、炭ちょんまげがニオイドンに向かって飛んでいくシーン。これ実は、炭を持って走っているスタッフを、ドーリー(レールつき台車)に乗ったカメラ助手が追いかけて撮影しています。

「もっと早くしろ、スピード感がない!」と中堀さんの怒声が飛び、壁にぶつかりそうになって何度もトライ。かくして、素敵な「21世紀の特撮CM」が完成したのです。

ところで、お気付きでしょうか? ラストシーンで、ダッシューマンがニオイドンを愛おしそうに抱いて飛んでいくのを。
敵同士じゃなかったの? そのヒミツは、このバックストーリーに…。


バックストーリー 「冷蔵庫を、主婦を、そしてニオイドンを救え!」

21世紀。地球の冷蔵庫では、知られざる壮絶な戦いが繰り広げられていた。冷蔵庫を守るやさしい神様「ツメタイナー」は、ある日冷蔵庫の中で、食べ物や飲み物などから発せられ、混ざり合った邪悪な臭気を浴び、臭いの化身「ニオイドン」に変身してしまう。冷蔵庫を守る心を見失ってしまった「ニオイドン」は、地球上のあらゆる冷蔵庫を、激しい臭気で満たしていく。そんなニオイドンを元のやさしい姿に戻すためには、胸の「臭」マークの爆破という手術を施すしかない!冷蔵庫の臭いで泣き叫ぶ主婦を救うため、かわいそうなニオイドンを救うため、炭惑星からやってきた「ダッシューマン」が、今、立ち向かう!



忘れられない、あの歌声は。
♪実際には〜このヒーローはどこに〜もいま〜せん〜♪…この切なくなるような歌を歌ってくださったのはTOURSミュージカル「赤毛のアン」でリンド夫人役を演じ、童謡歌手としても有名な「大和田りつこ」さんです。
アニメ「赤毛のアン」の主題歌を歌っていたことでも知られています。録音現場では「無機質に」「やさしく」「地声で」など、監督の厳しいオーダーに難なく応えた、まさに「七色の声」の持ち主。彼女の天性の美声と、ミュージカルで培った表現力で、壮大な楽曲に魂を吹き込んでくださいました。



◆ストーリーボード










◆CM出演者
○溝呂木 賢(みぞろぎ けん):ヒーロー役
1980年9月16日生まれ/山梨県出身
主な出演作は、テレビドラマ「水戸黄門(TBS系)」、「花衣夢衣(フジテレビ系)」ほか多数
○由地 慶伍(ゆち けいご):隊長役
1964年7月30日生まれ/大分県出身
モデルとして雑誌、ショー、CM等国際的に活躍後、1996年、NHK朝の連続テレビ小説「ひまわり」で俳優デビュー。
○小林 彩乃(こばやし あやの):女性隊員役
1987年12月25日生まれ/東京都出身
今回のCMがデビュー作となる。

◆スタッフリスト
○広告会社:
○制作会社:
○クリエイティブディレクター:
○CMプランナー:
○アカウントエグゼクティブ:
○プロデューサー:
○プロダクションマネジャー:
○ディレクター:
○アシスタントディレクター:
○カメラマン:
○照明:
○美術:
○CG:
○スタイリスト:
○ヘアメイク:
○音楽制作:
○音楽:
○メイキング制作:
株式会社 東急エージェンシー
太陽企画株式会社
鹿毛康司(エステー)
芳賀 薫(THE DIRECTORS GUILD)、福島 寛、高木 葉介(東急エージェンシー)
堀江 裕(東急エージェンシー)
畑忍、佐藤大(太陽企画)
泉家 亮太/高柳 政義/片桐 広基(太陽企画)
芳賀 薫(THE DIRECTORS GUILD)
高松明子(THE DIRECTORS FARM)
中堀 正夫
牛場 賢二
佐々木 記貴
早井 亨(太陽企画)
安藤 聡
主代 美樹
メロディー・パンチ
緑川 徹
野口優(エステー)/岡崎さおり(エステー)/國井さやか