金原みわ|「さいはてドリンク」と「ウニ昆布アイス」篇 | ニッポン奇食道楽

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ニッポン奇食道楽 / 北海道・利尻島、「さいはてドリンク」と「ウニ昆布アイス」篇

2017.08.21

大阪から新千歳まで飛行機で2時間、そこから道北の稚内まで車で6時間。さらにフェリーで1時間半。まさに日本の“さいはて”といわんばかりの地、北海道は利尻島へと向かっていた。

「利尻富士」

天高くそびえるのは利尻山。北海道でありながら「利尻富士」とも呼ばれ、日本百名山のひとつでもある。美しいその姿は、どこか神々しさすら感じてしまう。ふわりと風に乗って、潮の香りがする。ここ利尻島は、山と海とを同時に味わうことができる場所なのだ。

この“さいはて”である利尻島には、こんな幻の飲み物がある。

さいはて自家製“ミルピス”
▲さいはて自家製“ミルピス”

“さいはて自家製”というキャッチフレーズがなんとも気になる飲み物。ここ利尻島でしか販売されていない、牛乳瓶に入った特製の乳酸飲料である。

さいはて自家製“ミルピス”2

「昭和40年から始めました」

そう話すのは、ミルピス製造者の森原八千代さん(77)だ。

「最初は、まあ、カルピスって名前で販売していたんですけど。材料としてミルクを使用しているから、それじゃあってことで、ミルピスにしたんです」

なるほど、そんな深い由来があったとは……。それでは、いただきます。
ごく、ごく、爽やかな喉越しを感じながら一気に飲み干す。

さいはて自家製“ミルピス”3

なんというか、あの味に似ている。あの“日本一有名な乳酸菌飲料”である。少しだけそれを、甘酸っぱく、サラサラとさせた感じだろうか。そして、心なしかあの“日本一有名な乳酸菌飲料”よりも美味しい気がする。さいはてへ来たという事実が、より美味しく感じさせるのだろうか。

「注文さえあれば、日に何本でも、何100本でも作れます。原液があるので、それを3倍に薄めて作っています。炭酸を入れたり、カクテルやシャーベットにしたり、焼酎割にしても美味いですよ」

利尻島に来たら、是非ともこの特製ミルピスを味わっていただきたい。

お店の情報

店名 ミルピス商店
住所 〒097-0401 北海道利尻郡利尻町沓形字新湊153
その他、島内の漁業組合・ホテルでも販売。
TEL・FAX 0163-84-2227

利尻島・港

さて、確かに“ミルピス”はここでしか飲めない逸品ではあるが、当連載の本来の目的は“珍しいスィーツ”を追いかけることである。
利尻島・港のフェリー乗り場から歩いてすぐのところに、お土産物屋が並ぶ一画がある。そのひとつに「北利ん道」がある。

「北利ん道」

普通のお土産物屋のように見えるが、北利ん道ではこんなアイスを販売しているのだ。

「愛す利尻山」

「愛す利尻山」2
▲ウニと昆布が乗ったアイス「愛す利尻山」

アイスの上に、乾燥させたウニと、青々とした昆布がたっぷりと乗せられている。そして、そこに突き刺さった黒いスプーン……いや、良くみるとこれも昆布だ! まさかの根昆布スプーンだ!

「愛す利尻山」3

利尻島名産品であるウニと昆布。白いアイスクリームの山は、さながら利尻島にそびえる利尻山のよう。美しく豊かな利尻島の恵みを、そのままアイスに詰めこめるだけ詰め込んだ感じである。

「愛す利尻山」4
▲スプーンでかき混ぜると、昆布のおかげでトルコアイスのように粘り気が出るのが面白い

開発者である平川智春さん(42)に話を伺った。

「お店は7年前にオープンしました。このアイスに辿り着くまでは、もともとシェフをしていたんです。子育てしながら、漁師である父の手伝いをしながら、利尻島に新しい何か名物を作れたら……と考えていました。
ある時ふと「どうして利尻島にはご当地アイスがないんだろう?」と思いつき、利尻島の特産であるウニを使ってみることにしたのです」

── なるほど。開発において、大変だったことってありますか?

「それがですね……バニラアイスとウニって、相性が良すぎるんですよ」

── えええ、どういうことですか?

「愛す利尻山」5

「バニラアイスの上に生ウニを載せて食べると、相性が良すぎてウニの風味も何も残らず消えてしまうんです。味や生臭さも、消えてしまう。じゃあ塩ウニや蒸しウニだとどうかというと、これもまた味が消えてなくなるんです」

── 相性が良すぎると、混ざり合って消えてしまうんですね。

「諦めずに、じゃあ乾燥させたらどうなるかと試してみたら、ウニの風味がしっかりと残ったんですね。ただ、粉末にするとやっぱり味が消えてしまうので、少し原型を残して使うようにして。ご当地アイスを作りたいという一心で、試行錯誤しました」

── なるほど、確かにウニの独特の香りと味が最初に広がって、「ウニ食べてる!」という感じがします。乾燥することで濃縮されて、味が残るのでしょうか。

「ウニ珍味」
▲アイスを作るために開発された乾燥ウニ「ウニ珍味」は、あまりに美味しく出来上がったため、今では乾燥ウニ単体でも販売している。

── 昆布のほうには、開発秘話ってありますか?

「実は、昆布のアイデアは失敗から生まれたんです。ウニアイスを作るのに夢中になっていたら、保存していた昆布がしけてしまって真っ白になってしまって。捨てるのも勿体ないと粉末にしてみたら、しょっぱくて、やけに美味しかったんです。実は白い粉の正体は、旨味成分のグルタミン酸なんだそうです」

── すごい、そんな偶然の産物だったんですね!

「昆布からのお塩」

「今販売している昆布の塩は、昆布を1年以上寝かして真っ白にさせて、グルタミン酸を豊富に出したものを利用しています」

── 根昆布のスプーンも凄いアイデアですよね。

「以前テレビで観たのですが、平べったいところで食べる店があるそうです。せっかくなので利尻島の昆布で食べてもらいたいと思い、じゃあ根昆布が固くていいんじゃないと使ってみたのです。通常販売している根昆布は、5cm以内と規格が決まっているそうですが、漁師の父が取ってきた長めの根昆布を利用しました。」

── すごく固くって丈夫で、もはやスプーンにするために生まれてきたみたいです。

ウニをトッピングしたウニアイス

「そんなこんなで、ウニをトッピングしたウニアイスと、昆布から採った塩を使った昆布アイスを別々に販売していました。来るお客さんが「二つとも食べたいけど二つは食べられない」とおっしゃられるので、ウニと昆布を4年前に掛けあわせてこの「愛す利尻山」が誕生しました」

── まさに、利尻愛がたっぷり詰まっているアイスですね。これから新しく考えてることはありますか?

「利尻島の宿では、良く茶碗蒸しが出されるのです。そういった場所でも根昆布のスプーンを利用できるようにしたらどうか…と考えてます」

それはすごく素敵ですね…! 茶碗蒸しを根昆布で食べる、風情があります。

「ただ、根昆布はその名の通り“昆布の根の部分”で、大量生産は難しいのです。漁師さんの規格の問題もあって。でもせっかくの特産品なので、いつか販売したいですね」

“昆布アート”
▲利尻島には、島のお母さんによる“昆布アート”があったりと、昆布の新世界が誕生している。

「他にもいろいろと新しい取り組みを考えていますので、ぜひ利尻島へお越しの際はお立ち寄りください」

「北利ん道」店内

利尻島にて出会ったドリンクもアイスも、島を愛する人によって作られた、ここでしか味わうことができない“さいはて味付け”で、何倍にも美味しく感じたのだった。

餃子セットのメニュー表

アイスの根昆布スプーンは固く、噛んでも噛んでも味が染み出てきて旨い。しゃぶりながら島を歩いて回ると、さいはてを旅する風来坊といった様子である

お店の情報

店名 北利ん道
住所 〒097-0401 北海道利尻郡利尻町沓形字富士見町136—134
TEL 0163-84-3011
FAX 0166-30-1254

プロフィール

金原 みわ
名前 金原 みわ
生年月日 1986年5月9日
出身地 大阪市内在住

珍スポットトラベラー。全国の面白いところ・珍しいところを旅して、ラジオやイベントでレポートしている。旅中は車中泊やボロ宿に泊まり節約しているが、心が荒み3日目で家に帰りたくなる。

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