松浦達也|コメの多様性篇 |食いしん坊編集者、松浦達也の「Qごはん」

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食いしん坊編集者、松浦達也の「Qごはん」 / コメの多様性篇

2017.03.17

「Qごはん」コメの多様性

松浦
「そりゃもうコメでしょう!」
副編集長
「はい。それでお願いします」

お米のイメージ

ある日、エステーさんのほうから使者の方がいらした。どうも「食べ物関係の原稿を書いてほしい」ということらしい。ロクに考えもせず「エステーで食べ物……。『米唐番』だ!」と連想して反射神経で冒頭のように答えてしまった。でも、やけにすんなり通ってしまったら、それはそれで不安が募る。だいたいエステーには「米唐番」だけじゃなく、冷蔵庫用の「脱臭炭」だってあるじゃないか。

といっても自分で言ってしまった以上、引っ込みもつかないし、実は最近ごはんを応援したい気持ちはけっこうある。ここ数年、 卵の本 や 肉の本 にかまけているけど、毎年春と秋には友達の実家の稲作農家で田植えや稲刈りを手伝う……という名目で、新米(とお酒)をしこたま飲み食いしているし、大好きなあの居酒屋の〆と言えば、はらりと口のなかでほどける絶品の塩むすびと決っている。

そう、ごはんはやっぱりごちそうだ。でもこのところ、少しピンチでもある。米の年間消費量(1人あたり)は50年前の半分以下、需要量も年間8万トンペースで減っているという。「若者の○○離れ」はアテにならなくても、「日本人のコメ離れ」はある程度、事実と言っていいだろう。国民食で主食のはずのコメの消費は下がり続けている。

数年前、ネットニュースで「炊きたてごはんは混ぜないほうがいい」という記事を書いた。ざっくりまとめると以下のような内容だ。


  • 炊きたてごはんは表面をすくうように盛ったもののほうがコメ表面の食感がいい。
  • コメとコメをつなぐ「おねば」にこそうまみが凝縮されている。
  • ただし、上記の話は炊きたてに限る。保存する分は混ぜた方がいい。

というような話を、和食店の店主から聞いた話や、裏づけになりそうな学術論文からの引用を交えて掲載した。もちろん「味」についてはあくまで私見。食べ物の話は最終的には好みになる。でも上記のような「世に知られている常識とは違う」原稿を書くと、「ウソだ!」「混ぜたほうが絶対うまい」というような強いコメントを、呼吸をするように吐き出す人がいる。直接言いに来るわけじゃなくても、肺活量がすごいのか、大声だからSNSなどを経由してなんとなく耳に入る。

人の好みは、育った環境や食生活によって大きく変わる。水分が足りていなければ水がおいしく感じられるし、三大栄養素と言われるたんぱく質、脂質、糖質もおいしさと密接に結びついている。乱暴に言えば、身体に足りていない栄養成分はたいていおいしく感じられる。体調や栄養状態で無限に変化するのが「おいしさ」なんじゃないか。

ごはんのおいしさだって例外ではなく「絶対」なんて味はないと思う。例えば、粘りと甘みが強いコシヒカリとさっぱりした食味が特徴のササニシキのおいしさは違う。コメの特性が違うのだから、狙うおいしさが変わることもある。炊き方が変わることだってあるはずだ。そういえば昔の料理書には「すし飯は湯炊きにすべし」と書いてあったりもした。

ごはんのイメージ

食べ方だっていろいろある。炊きたてごはんを一口ずつていねいに噛み込んでいくのはもちろんおいしい。ちりめん山椒をかけて一気にかっこめば、ほのかな塩気がコメの甘みを引き立たせ、山椒の香りが口内に充満して、超幸せな気持ちになる。でも2日目のすき焼きやカレーを、冷やごはんの上にぶっかけて、行儀悪く口に流し込むのだって引け目を感じるほどうまい。「主食」でありながら「脇」に回ることだってできる。いろいろなおいしさがあるのも、ごはんのいいところ。

実は昨年秋頃から「ごはん」のまわりが活気づいている。この年末年始に複数の新興メーカーから従来品とは違う狙いの「炊飯器」が発売された。知人から「炊飯器、買おうと思うんだけど」とか「ごはん専用土鍋っておいしいの?」なんて相談されることも増えた。

つい先日、100年ほど前の炊飯に特化した料理書を読んでみた。そこにはコメの炊き方について、ていねいな考察が記されていた。産地やその他の条件に合わせて、いくつものアプローチの炊飯方式が書かれている。
コメを大切にしていた先人は、やっぱりコメの多様性に気づいていたらしい。ごはん自体のおいしさに、おかずとの相性などなど、ごはんが持ついろいろな可能性に触れられたらいいな。そんなことを考えています。

ちなみにこの連載のタイトル「Qごはん」。このサイトのイメージキャラクター「Q」に「急」「休」「給」などいろんな意味をコメてみました。「きゅうごはん」をふつうに漢字変換すると「救護班」となりますが、そちら方面の特殊技術や資格は持ち合わせておりません。あしからず、ご了承くださいめし。

プロフィール

松浦 達也
名前 松浦 達也
出生地 東京都武蔵野市の水口病院
職業 編集者/ライター/フードアクティビスト(調理、調査、レシピ、実食、洗い物、その他雑務担当)

すぐに気が散るのが特技で、いまだに自分の職業を一言で言えない。この際、学生時代に実父に面と向かって言われた「ごくつぶし」と名乗るのいいかもと思い始めている。

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