奇界の車窓から / 許可とか取ってない着ぐるみの人たちはだいたい素手!な件
2017.07.11
世界中の奇妙な場所を撮影し続ける写真家・佐藤健寿。ここ「奇界の車窓から」では、写真集に載せるほどでもないけど、ちょっぴり奇妙だった写真を紹介してもらいます。今回は、絶対許可取りとかしていない着ぐるみや凄い脱皮の写真が登場します。
「許可とか取ってないアジアの着ぐるみ」
- スミ
- 突然夏がやって来た感じですね、最近。
- 佐藤
- 暑いですよね。梅雨とかあるのかないのかよく分からないです。
- スミ
- 心の準備をしないうちに夏がやって来た感じで辛いですね。
- 佐藤
- うやむやな感じですね。最近、東南アジア行ってたんですが、帰って来たら日本の方が暑いくらいでした。
- スミ
- 東南アジアより暑い! これは大変なことですね。どこに行ってたんですか?
- 佐藤
- ちょっとベトナムなどに行ってまして。
- スミ
- 奇界ですか?
- 佐藤
- そうです、本の撮影などで。
- スミ
- 次の本ですね。楽しみです。
- 佐藤
- 割と本のネタに直結してしまうのであまり出せないんですが、旅のアザーカットとして。
- スミ
- 是非是非!
- スミ
- ダメなやつきましたね!
- 佐藤
- すいません、本当にアザーカット気味で。
- スミ
- これは、どこの夢の国ですか!
- 佐藤
- 移動式の夢の国ですね。で、彼らは通行人を夢の国に引っ張り込む客引きです。
- スミ
- こういうのは、個人的にやってるんですかね?
- 佐藤
- 多分、そうですね。あとは青い猫型ロボットもよく見ますけど。
- スミ
- せめて手袋してほしいですよね。軍手でもいいから。
- 佐藤
- 割と素手ですよね。
- スミ
- 素手が夢を壊すって考えないんですね。暑いからかな?
- 佐藤
- 多分中は蒸し風呂みたいな暑さだと思いますね。
- スミ
- とは言えですよ、握手とかしたいじゃないですか! なのに素手!
- 佐藤
- そこでもしかしたら言い逃れるのかも。あのネズミじゃないです、という。
- スミ
- そこじゃない!って誰もが思いますけどね。
- 佐藤
- ね。
- スミ
- ネズミも黄色いのも、カゴを持ってますが。
- 佐藤
- なんか通行人にアメとか配ってましたね。
- スミ
- あ、そこは良い人なんだ。
- 佐藤
- 僕もこのとき走りながら撮ってたのでブレブレなんですけど。なんかこう、外の雑踏感とこの着ぐるみのコントラストがいいなと。
- スミ
- 舐めて大丈夫な飴なのかな…。
- 佐藤
- 住さんは着ぐるみとかやったことあるんですか?
- スミ
- いや、ないですよ!
- 佐藤
- 意外ですね。年1、2回はネットの記事とかでそういうことをやってそうなイメージでした。
- スミ
- あっ、思い出しました!13年位前にやってました。猫バスになるって企画で!
http://portal.nifty.com/special06/03/16/4.htm - 佐藤
- 不審者ですね。着ぐるみじゃないとも言えそうなギリギリのラインで。
- スミ
- 今見たら、確かに不審者だ!
- 佐藤
- 記事中にも書いてますけど、確かにチューバッカっぽいです(笑)。
- スミ
- 上のネズミの人とか、黄色い人のこと言えないですね…。いろいろな物に毛を付けていたら最終的にああなってしまったという。
http://portal.nifty.com/special06/03/16/2.htm - 佐藤
- 極北の少数民族なんかでもいそうな格好ですね。
- スミ
- 良く見ると、この時の僕も素手ですね。やっぱり、手は出しておきたいんだと思います。あのネズミや黄色い人も。
- 佐藤
- ほんとだ、やっぱり手は出さないとダメなんですね。
- スミ
- チャック下ろしたり、やりづらいですもんね。
- 佐藤
- これはヤンキーが車のダッシュボードなんかに貼ってるフサフサですか?
- スミ
- いや、ユザワヤで買ったフェイクファーなので、ヤンキーのダッシュボードとは違うかと。
- 佐藤
- ああ、なるほど。洋服とかに使う用ですね。
- スミ
- そうですそうです。
- 佐藤
- でもモニターに毛が付いてるのとか、ちょっといいですね。
- スミ
- 温かみ、みたいなものが出ますよね。毛が生えていると。
- 佐藤
- ぐっと有機的なアイテムになった感じで。マウスもすぐ毛が抜けてピカピカになりそうだけど、初期状態はわりとアリかなと思います。ヨドバシで売ってたら、お、と思いますね。
- スミ
- おっ!って思うけど買わないやつですよね。
- 佐藤
- そうです、このメーカー戦ってるな、と思いつつ棚に戻すタイプの商品ですね。
- スミ
- 写真に撮って、インスタに上げるほどでもないか、って我に返って。
- 佐藤
- そうですね、2980円くらいで悩んでやめるやつですね。
- スミ
- 値段設定も結構攻めてる!
- 佐藤
- 中身はもうバリバリ中国製のOEMで、USB1.0仕様というところまでは見えますね。
- スミ
- 今日日1.0って!
- 佐藤
- 売れ残りのガワだけ変えて一発逆転を計るシリーズ。
- スミ
- なんか、ちょっと傷ついてきました(笑)。
- 佐藤
- あっ、話題変えますね。
「シリコンバレーのギークたちの間で流行っているものが東北の祭りの屋台で売られる時代」
- 佐藤
- この前お祭りの出店でこんなのを見たんですけど。
- 佐藤
- 住さん持ってます?
- スミ
- 持ってないです!
- 佐藤
- 早いな、と関心しまして。
- スミ
- これ、アメリカで流行ってるんですか?
- 佐藤
- そうなんです。つい数ヶ月前にシリコンバレーのギークたちの間で流行ってる、みたいなところから始まって、日本で個人輸入したりした人が現れ始めたのが多分2〜3ヶ月前、大々的に楽天なんかでも売られ始めたのがそのちょっと後だと思うんですが。
- スミ
- それが、もう祭りの屋台に?
- 佐藤
- そうなんですよ。それがもう東北のかなり田舎なんですけど、そこの屋台に並ぶというこのスピード感に驚きましたね。
- スミ
- 買いました?
- 佐藤
- いや、買わなかったです。素人目にも絶対ベアリングの質とか悪いんじゃないかとうがった見方をしまして。
- スミ
- 検索したらヒカキンがレビューとかしてますね。
- 佐藤
- ああ、そういう感じなんですね今や。
- スミ
- で、これは、一体何ですか?
- 佐藤
- もとはギークたちがペン回しの代わりに回してたストレス解消アイテムだったけど、最近はなんか体のおでこの上で回したりするのが流行ってるらしいですよ。
- スミ
- やばい、すごく欲しくなってきてます。
- 佐藤
- 住さんならこれで3本くらい記事かけそうな気がします。
- スミ
- 普通にほしいです!
- 佐藤
- アメリカで爆発したというニュースもあったり、何がなんだか。
- スミ
- え? 爆発?
- 佐藤
- どこがどう爆発するのかよくわかんないですけど、ネットの見出しだけみました。
- スミ
- 爆発のリスクは考えないことにして、今度、取り寄せてみますよ!佐藤さんの分も。
- 佐藤
- え、ありがとうございます、、!
- スミ
- これでストレス解消していきましょう!
- 佐藤
- いきましょう!
「奄美の空港の衝撃的で雑な展示」
- 佐藤
- 来週、ちょっと鹿児島とか奄美大島に行ってくるんですが、去年、奄美大島の空港で衝撃を受けたものがありまして。
- スミ
- おお?
- 佐藤
- 今年もまだあるのかなと。
- スミ
- それは、どんな?
- スミ
- ハハハハハ!すごい展示!
- 佐藤
- 空港のゲートでていきなり置かれてたんですよね。
- スミ
- 空港ってのがすごいですよね。
- 佐藤
- 奄美大島の最初のインフォメーション。
- スミ
- それにしても綺麗に脱皮してますね。係りの人の興奮が伝わってきますよ。
- 佐藤
- 後ろに熱帯感を見せつける水槽があるんですけど、どうやらそこの伊勢海老っぽいのが脱皮したみたいで。多分あまりにも綺麗に脱皮したものだから緊急展示したんじゃないかなと。
- スミ
- ですね。今年はないんじゃないかなぁ。
- 佐藤
- 増えてたら面白いんですけどね。丸出しで展示しておいて「さわらないでください」というのもなんかいいなと。
- スミ
- 触られるリスクより、見てもらいたい!っていう情熱ですね。いやぁ、いい展示だなぁ。
- 佐藤
- そうそう、そもそも使われてる台もなんか常設っぽいガラスケースなんですけど、その上に雑にシート敷いてる感じもいいですし。
- スミ
- あ、そうか!このガラスケースの中には常設展示されてる何かしらがあるんですね!
- 佐藤
- そうですそうです。それをもう差し置いて。どのくらいレアなものなのかさっぱりわからないんですけど、激レアなんでしょうね。
- スミ
- 脱皮したエビは後ろの水槽に?
- 佐藤
- それすら分かりません。
- スミ
- もう、雑!
- 佐藤
- とにかくこの脱皮を伝えたい、という情熱だけで生まれた展示ですね。張り紙のフォントの大きさとか完璧ですよね。
- スミ
- 完璧ですよ。これがPOP体だとちょっとふざけてる感が出ちゃいますし。真面目な情熱を伝えるフォントと大きさですね。
- 佐藤
- そう。デフォルトのMSゴシック感がいいですよね。明朝だとちょっと狙ってる感がでちゃいますし。
- スミ
- 完璧です。用紙サイズがA3っていうのも、事務所のプリンターで出せる最大感があって。
- 佐藤
- 最後を脱皮しました!にするか一瞬迷って、やめたのかなとか。
- スミ
- 生真面目さがヒシヒシと伝わってきます。
- 佐藤
- そんな感じなんですが、もし空港行ったら確かめてきますね。
- スミ
- ありなしを速報してください!
- 佐藤
- ツイッターで速報します!(@x51)
- スミ
- 楽しみだなぁ、エビの脱皮。
- 佐藤
- 激レアですから。多分。
- スミ
- エビ以外が脱皮してる可能性もありますしね。
- 佐藤
- カニが!とか。あっ、カニ、するのかな?
- スミ
- カニ、脱皮するみたいですよ。
- 佐藤
- ああ、するんですね・・・。いやあ、知らないことだらけです。
- スミ
- 楽しみが増えましたね!
- 佐藤
- 脱皮コーナーが賑やかになってたらうれしいですね。
- スミ
- 期待しましょう!
- 佐藤
- 脱皮、楽しみにしててください!
プロフィール

名前 | 佐藤 健寿 |
---|
武蔵野美術大学卒。フォトグラファー。世界各地の“奇妙なもの”を対象に、博物学的・美学的視点から撮影・執筆。写真集『奇界遺産』『奇界遺産2』(エクスナレッジ)は異例のベストセラーに。著書に『世界の廃墟』(飛鳥新社)、『空飛ぶ円盤が墜落した町へ』『ヒマラヤに雪男を探す』『諸星大二郎 マッドメンの世界』(河出書房新社)など。近刊は米デジタルグローブ社と共同制作した、日本初の人工衛星写真集『SATELLITE』(朝日新聞出版社)、『奇界紀行』(角川学芸出版)、『TRANSIT 佐藤健寿特別編集号〜美しき世界の不思議〜』(講談社)など。NHKラジオ第1「ラジオアドベンチャー奇界遺産」、テレビ朝日「タモリ倶楽部」、TBS系「クレイジージャーニー」、NHK「ニッポンのジレンマ」ほかテレビ・ラジオ・雑誌への出演歴多数。トヨタ・エスティマの「Sense of Wonder」キャンペーン監修など幅広く活動。
- 佐藤健寿 THE WONDERLAND 奇界
- http://kikai.org/
- https://twitter.com/x51
- https://www.instagram.com/x51/
プロフィール

名前 | 住 正徳 |
---|---|
職業 | 執筆/デザイン/映像制作屋 フリーランス |
物事を正しくみる目がないことを賞賛され、副編集長に就任。 椎間板ヘルニア、十二指腸潰瘍、いぼ痔を抱えるため繁忙期にはどれかが疼く。
- https://twitter.com/sumimachine
- https://www.instagram.com/sumimachine/