特命宣伝部長の高田鳥場こと鹿毛康司です。今回の「ミュージカル赤毛のアンに皆様をご招待したいと告知するCM」にはオチがありません。たぶん私が関与したこの8年間のCMで初めてのオチなしCMです。今回だけは皆様からのご批判覚悟で、まっすぐにつくりました。許してください。
その理由をここでお話します。
まずは、ミュージカル赤毛のアンとは何か。
① もう14年もエステー主催のミュージカルを行っている。
② 「エステーがミュージカルなんて」と思われるかもしれませんが、かなり本気の公演です。
③ 全国8都市10公演、お客様は全てご招待!
④ 主演は島谷ひとみさん。そのほかミュージカル界では超有名な陣容が多数出演。
ビジネス文章になってしまいました。(失礼!)
で、この震災直後、この公演を開催できるのか相当迷いました。なにせ、仙台公演の会場は使えないし、だいいち3月下旬の仙台でのオーデションも開催できなかったし。さらには、計画停電で関東の公演は本当に大丈夫だと言えないし。それでもやるべきなのか。
そんな時、「中止するのは簡単だ。これは私のお客さまへの感謝の気持ちなのだ」と開催決行を早々と社長の鈴木喬が決断してくれました。それに応えるかのように、出演者の大和田りつこさんが、社長に感謝の気持ちのお手紙を出されたのです。そこには、この震災に対する思い、出演者で何ができるかを話し合っていること、エステーにも支援してほしいこと・・・そういうことがたくさん書いてありました。(社長から読め!と手渡されました)
考えてみると、いや考えなくても役者さんというのは、生身を使ってコミュニケーションをしているわけで、役者の前に「人」であることを痛感させられました。その人としての出演者の皆さんの気持ちに、正直ウルウルきてしまいました。役者さんが「私の演技を見てください」というのではなく、どうぞおいでくださいという人としての気持ちを実直に伝えたいと思いました。
まるっきり制作費のない中、手弁当でこのフィルムはできあがりました。といっても手がけた監督は、巨匠の清家正信カメラマンです。「人生かけてやるよ。まかせてくれる?」と言われたときには、ウルウルきました。
出演者、ミュージカル界の巨匠ビリー山口氏、CM制作陣のみなさん、そして快く撮影場所を提供してくださった鶴川女子短期大学の皆様、本当にありがとうございました。
多くの方々の善意でできあがった映像です。
お金かけてなくてすみません。
でも、この表情には、その歌声にはウソはありません。(たぶん・・・)
高田鳥場