こんにちは。特命宣伝部長の高田鳥場です。
この春、朝日新聞の『ひと』欄でミゲルのCMのことにふれていただきました。
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『アイデアが湧いたのは東日本大震災の直後。世の中に少しでも笑顔をと思った。撮影地はポルトガルのリスボン。18世紀半ばに大地震と大津波で6万人が亡くなった街だ。「復興した街並みからの応援歌に聞こえればと考えました」
中略
「消臭力」のCMを見たひとからは、「ほっとした」という反応も届くという。「愛情を込めてつくれば、消費者に思いは届く」』
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実は、震災のことを直接ふれることなく、震災で揺れたみんなの心に、いや、自分のこころに忠実にCMを作っただけでした。
その後、いろいろなCMを作ってきたけど、やっぱり福島のことをわすれてはいけないと西川貴教さんと話し合い、『チカラにかえて』という曲を作りCMにさせてもらいました。
ミゲルをいつまで使い続けるの? 震災のことを引きずりすぎるんじゃない? とご指摘もたくさんいただきました。
でも、何事もなかったかのように『おバカCM』を放送することにためらいがありました。おバカCMを流せるのは、少しばかり、私も含めた我々の気持ちが『日常に戻った』時だと思っていました。そしてようやく、そのおバカなCMを流すタイミングになったのではないかと思いだしました。12月24日のクリスマスイブから『おバカCM』を放送します。フジテレビ系列の月9ドラマで放送させていただきます。
このCMは実は1年以上前に撮影していました。ずっとそういう時代になることに憧れ、早く放送できることを心待ちにしていました。
このCMをエステーの会長に見せた時、彼は大笑いしてこう言いました。
『これが、日常にもどろうってことですな!』
ある雑誌の編集長は、こういいました。
『これって、涙を拭いたあとの笑顔ですね』
12月1日、中国に住む日本人の学校(小学生から中学生)で講演をさせていただきました。『ぜったい見たと言わないでね』と、このCMをみんなに見せました。子供達は大笑いして、そして拍手をたくさんくれました。小学生にも伝わるんだ! そう思ったら心の底からうれしくて、なんだか心がポカポカになりました。
西川さんともミゲルとも、このあともお付き合いさせてもらいたく存じます。このプロジェクトが完結しても、通常のCMとして、今後もご出演していただきたいと思っています。
ただ、誤解を招くと困るのですが、震災後からスタートした『プロジェクト』はここで完結します。日常に戻るために完結します。みなさん、本当にお付き合いしていただいてありがとうございます。応援していただいてありがとうございます。
高田鳥場