ネタバレになるのでご覧になってない方はこちらを先に見てください。
このCMを制作するにあたって大きな問題が横たわっていました。
「あの超美人の高橋愛様が老け役になってくれるのか」
ということでした。
シワを作って白髪にしてしまうわけです。しかもセンスのない洋服まで着せられて。笑
最近ではファッションリーダーとして各方面で引っ張りだこの「超美人×センス抜群の高橋愛様」。
この企画を受けてくれるわけがない。少し企画を修正しようかなあ。
弱気な私に届いたお返事は
「やらせてもらいまーす。思い切って振り切っちゃいましょう。どうなるか楽しみですね」
でした。どひゃー。懐深い!。
割烹着も着てくれました。
昭和な女になってもらったわけですが、こんなキュートな割烹着姿の人をみたことがありません。
この写真の昭和な時代に、私はこの熊雄くらいの幼子だったのですが、
その当時、親戚の集まりがあると割烹着を着たおばちゃん達がいっぱいいて、
冗談言いながらワッハワッハと明るく笑いながら
台所仕事していたのを思い出します。懐かしいです。
今では、あのおばちゃん達も歳をとり。人って平等に歳をとるんですよね。
いろいろ考えさせられます。
せつない気持ちで歳をとった特殊メイクの愛ちゃんを目の前で見たとき、
愛ちゃんの歳とった姿を見た時、衝撃が走りました。
かわいい。
歳をとっても、きっと愛ちゃんはかわいい。
愛ヲタになってよかったと思う瞬間でした。
ちなみに、このストーリーとエステーの創設の理由がとても重なっております。
母の大切な着物に虫穴があいて悲しそうな顔を見た創設者は
防虫剤をつくって喜んでもらおうと思ったといいます。
このCMストーリーは本当の話から生まれています。笑
ある日、女子大生から手紙をもらいました。
その手紙にはいかに彼女がエステーのCMが好きかが書いてありました。
彼女は、さらにツイッターで私がお花見をするという情報を見て、
勇敢にもそこに参加してきました。彼女との出会いです。
控えめでシャイな彼女は、
いまや本物のクリエイターとして広告会社の新人1年目を迎えたところです。
そんな彼女に、ムシューダの企画をお願いしてみました。
沢山のアイデアを出してくれた中のひとつが、このお代官様のCMです。
ぶっ飛んでます。
もちろん、彼女の企画を先輩のプロ達が、ちゃんとした企画になるように
仕上げくれました。
新人クリエイターは日本の宝です。
経験も浅いから一見、企画になっていないように見えるかもしれません。
でもね、ほらね、こんなに「ぶっとんだ」しかも見事なCMができあがったでしょう?
新人クリエイターをみんなで育てましょう。
広告会社さんの先輩クリエイター様、広告主の宣伝担当の皆様、
よろしくお願いします。
特命宣伝部長 高田鳥場(たかだのとりば)