CM消臭力 制作裏話
スタッフの挑戦が詰まった「CM消臭力」。
衣装・美術・音楽にもたくさんの愛情が込められています。
今回は制作者の皆さんに制作の裏話を聞いてみました。
衣装
造形衣装 早瀬昭二氏(マッシュトラント)
- 普段、西川貴教さんの衣装はどのようなイメージで作られていますか?
- セクシーさ、ワイルドさ、かっこよさを融合して制作しています。西川さんには二次元の世界にいそうな三次元の人、想像の世界にいるようで実在する人であってほしいと思っています。
足軽との殺陣に挑む西川貴教氏
- 今回の衣装の制作はどうでしたか?
- 制作する上での条件がたくさんあったので、それらを全て満たすようなデザインを描くのにとても苦労しました。正直、ここ最近で一番悩んだ衣装です。
- どんな条件があったのですか?
- 今回はワイヤーアクションがあったので、ハーネスを考慮する必要がありました。そのため、ワイヤーに衣装が絡まって怪我をしないように袖をタイトにし、ハーネスを付けても崩れないシルエットを考えました。そのほかにも、西洋と和を融合したような剣士で青色の衣装というのも条件でした。
ハーネスを装着して、高く跳びます
- デザインができるまでの期間はどれくらいでしたか?
- 一週間以上かかりました。いつもは本人が着ている姿が浮かぶのに、見たいところにモヤがかかっていました。それは時間が経てば消えるモヤでしたが、消えるのを待っていたら撮影日に間に合わなくて。毎日シルエットと向き合っても前に描いたものから進化がなく、なかなか納得のいくシルエットが描けませんでした。
- そこからどうやって進めたのですか?
- モヤがかかっていない部分から考えました。たとえば、足元は西川さんが履きたい靴があって、それをどう加工するかは自分にもイメージがあったのでそこから始めました。また、『UNBROKEN (feat. 布袋寅泰)』のMV衣装で使ったボタンがすごく気に入っていたので、今回の衣装にも取り入れたいと思っていました。少しずつ輪郭線をはっきりさせて、自分にちょっと余裕が出てきたら部分ごとに一気に考えました。シルエットはアンバランスなアシンメトリーになるようにして、最後にそのつじつまが合うか合わないかを考慮しました。
左肩に甲冑、右肩にマント、背中には力マークも
- 完成までにどれくらいのデザインを考えられたのですか?
- シルエットは50枚以上描きました。
- 衣装を作る時に気を付けていることは?
- 衣装って真面目に考えるとつまらなくなってしまうんです。だから一度じっくり考えて、面白おかしくして、カッコよくシフトさせて。それは洗っては干してのように、繰り返し行います。
ワイヤーアクションで破損した箇所を修繕する早瀬氏
- 今回の衣装を作り終えて、いかがですか?
- 正直、自分がいいと思ったものができませんでした。というのも、その洗っては干しての作業を通常ならあと2回くらい繰り返すところを1回で出したんです。みんなが良いと言っても、自分が自信を持って西川さんに出せなかったです。
- 撮影当日、衣装を着た西川さんを見てどう思いましたか?
- 自分が思っていた以上に似合っていたので本当に良かった。安心した。西川さん、着こなしてくれてありがとう。
美術
美術 片岡紀和氏(SUI)
- 消臭刀の制作期間はどれくらいですか?
- 形は2日ほどですが、検証を含めると5日くらいかかりました。自分でも構えては抜く動作を何度も繰り返して、動きや安全性などをしっかり確認しました。
- どんな素材を使っているのですか?
- 柄はプラスチック、鞘はウレタンで作りました。アクションの邪魔になったり、手が当たって怪我したりしないように、素材は柔らかいものを選んでいます。ちなみに、脇差をイメージして作りました。
- こだわったところは?
- 映像では見えないかもしれませんが、つばに『消臭力』や『ST』という文字を入れました。昔の文字を参考にして、文字を崩してデザインしています。
細部までこだわった消臭刀
- 大変だったところは?
- エイジングという使用感を出す作業が大変でした。使用感がありすぎると汚れに見えてしまうので、衣装とのバランスを考えて汚しをつけました。ほかにも、簡単に刀が抜けるように工夫をしました。
- 消臭力を刀にしたいと言われてどう思いましたか?
- 正直、かっこよくなるのか心配でした。でも、作っていくうちにかっこよくなると確信したんです。作っていてとても楽しかったです。
音楽
音楽家 宮井英俊氏(WAKURABA)
- 今回の楽曲について教えてください。
- 今までの消臭力の楽曲の中で、最もテンポが速いです。また、西川さんのファンが聞いても、西川さんの楽曲に聴こえるように意識して作曲しました。
- 西川さんの楽曲イメージに近づけるためにどんなことに気を付けましたか?
- 西川さんの最新の作品と初期の作品を聴き、その中間のサウンドになるように意識して作りました。でも、どんな曲も西川さんが歌うと“西川貴教のサウンド”になるんですよね。西川さんには超越した何かがあるのかもしれません。
作曲後、音響の調整を行うのはレコーディングエンジニアの花島氏
- こだわったところは?
- 30秒バージョンのサビに行く手前のかけあがりのシンセサイザーです。シンプルに見えますが、コードワークで言うとひっくり返したりして「クルクルクルクル」と転調っぽく聴こえるように工夫しました。この部分は15秒バージョンにはないので、ぜひ30秒バージョンで聴いてください。
- なぜ曲の合間に“合いの手”が入っているのですか?
- あれは鹿毛さんのアイデアです。西川さんがお客さんとコール&レスポンスで歌えるような、ライブを意識したパートの部分になっていると思います。